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2020年度環境大学後期講座日程

レイチェルカーソン東海フォーラムによる「なごや環境大学2020前期共育講座」は新型コロナウィルス感染による影響で休止していましたが、下記日程で後期講座として開講することに決定しましたのでお知らせします。

2020年度後期講座”レイチェルカーソンの想いは続く”
開催はすべて14時から、名古屋国際センターで行います。

①10月3日(土) 気候変動と防災対策のススメ 広瀬和代(NPO気候変動ネットワーク研究員)
②10月17日(土) プラスチック問題を考える  原強(レイチェルカーソン関西フォーラム代表)
③11月14日(土) SDGs de 地方再生        岡崎真弓(SDGs公認ファシリテータ)
④12月5日(土) パリ協定始動           伊与田昌慶(NPO気候変動ネットワーク研究員)

 コロナウィルス感染への恐れは今も続いています。「ウィルスの絶滅はできない」と言われています。私たちは共生していく道しかありません。幸いなことに、蔓延していく過程で、弱毒化がすすみ長期的には風邪のようなありふれた病気の一つになっていく可能性があるそうです。でもそのためには時間がかかります。感染の速度をできる限り遅くする必要があります。
 ワクチンは無い、薬もないでは感染は仕方ありません。出来る事と言えば、コマメな手洗い、マスクで出来る限り自分は感染しない、感染してもヒトには感染させない努力しかありません。

 また後期講座でお会いしましょう。

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沈黙の春〜まえがき

人間だけの世界ではない。動物も植物もいっしょにすんでいるのだ。その声は大きくなくても、戦いはいたるところで行われ、やがていつかは勝利は彼らの上にかがやくだろう。そして、私たち人間が、この地上の世界とまた和解するとき、狂気から覚めた健全な精神が光りだすであろう。


                                             レイチェル・カーソン

石牟礼道子のまなざし

あなたは「石牟礼道子のまなざし」に耐えられますか?
こんな問いかけが胸に迫った・・
2020年1月18日なごや環境大学共育講座「レイチェル・カーソンと海」第4回講演会が開催された。水俣フォーラム事務局長の実川悠太さんによる「石牟礼道子のまなざし」である。
まなざし

実川さんの講演会は1年前にもあった。その時に感じたのは、「石牟礼さんは読みにくい」と感じるのは私だけではなかったことである。その時、妙に安心したことを覚えている。

石牟礼道子は小説家ではないが、物書きでもない「特異性」を持っている、と実川さんは語る。「苦海浄土」は1969年に刊行され1970年に大宅壮一ノンフィクション賞に選ばれたが、辞退している。そして、その理由を説明していない。ここに「特異性」のヒントがあるようだ。

石牟礼さんは昭和2年という戦争の時代に生を受けた。そして終戦を迎え、彼女の中に人間社会に対する不信感が芽生えてくる。そして結婚、長男出産を経て、筑豊の炭住を舞台にした文化活動であるサークル村に参加し短歌などを投稿するようになる。その過程で長男が結核を患い入院、その病院で水俣病患者のまなざしに出会うことになる。
水俣病について知りたいと思った彼女は、水俣病の第1発見者であるチッソの病院長細川医師を訪ねることになる。そこで大量の資料を受け、1960年にサークル村機関紙に民衆の言葉で民衆の目に映った「奇病」を発表。
彼女の言葉は、肉体を通した呻きのような言葉だった。余計なことは要らなかった。言葉を操る人は要らない。だから彼女は「怒ったり、泣いたり」はしない。

実は私は、1970年チッソ一株株主として大阪での株主総会に参加したことがある。患者さんの御詠歌、右翼の怒号飛び交う大混乱の総会であったが、石牟礼さんの落ち着いた言葉が半世紀経過した今もしっかり耳に残っている。是非聞いていただきたい。
まなざし2

緒方正人さんの言葉、「チッソというのはもう一人の自分だった」。石牟礼道子さんのまなざしを受けて、自分に返ってくる言葉です。

2020年度第1回共育講座は「SDGsカードゲーム」を取り上げます。5月23日(土)14時〜名古屋国際センターです。

SDGsの源流・レイチェルカーソン

SDGsの源流・レイチェルカーソン「Sustainable Development」)が開講された。

12月14日名古屋国際センターにて、レイチェル・カーソン日本協会関西フォーラム代表の原強さんをお迎えし、なごや環境大学共育講座「SDGsの源流・レイチェルカーソン」が開催された。

キーワードは「Sustainable Development」
「持続的な開発とは、将来世代の欲求を充たしつつ、現在の世代の欲求も満足させる開発」むむっ!分かったような分からない。
原さんの講義は、この点を「今を遡って源流に辿り着く手法」を使って巧妙にしかも丁寧に展開された。
原さん2

今はCOP25の開会中。COP25の現状(2019/12/15現在も迷走中)とグレタさんとトランプの論争をとりあげながら、SDGsを解説。原さんは、日本では未だに6%削減と思い込んでいる人が多く、更には日本は環境先進国だと想っている人も多い、日本はCOP25開会中に2度も石炭火力の取り扱いの件で「化石賞」貰っていると嘆く。日本では、CO2排出削減技術があり利用しないのはおかしい、石炭は地球上に沢山あるので利用しないのはおかしいと思う人が多いのか、既得権益を大事にする人が多い。
しかし、今や時代は変わった。発電コストは再生可能エネルギーの方が安い。私たちはこのことを明確に理解していく必要がある。
原さんは、今や京都議定書の時代からパリ協定の時代になり、世界は大きく変化したことを理解すべきだと展開された。2015年に決まったパリ協定とSDGsをどれだけ自分の言葉で語れるのか?自分も胸に刺さる。

ここから遡って講義が展開、最後は「沈黙の春」レイチェルカーソンにたどり着くことになる。

遡る最初は、1992年地球サミットである。「環境と開発に関するリオ宣言」である。ここでのキーワードが「Sustainable Development」である。
ここに至るまでには、フロンガス問題とチェルノブイリ原発事故があり、1992年ローマクラブ「限界を超えて」の出版があった。生産・消費・廃棄のそれぞれの段階で「ヒトの活動」の見直しが必要となってきたと展開される。

さらに20年遡って1972年人間環境会議「Only one Earth」へ。

そして、更に遡ること10年、1962年レイチェル・カーソン「沈黙の春」出版となる。
レイチェル・カーソンは、「自然の征服」から「自然との共生」と主張し、自然の一員としての人間を謳い未来の世代への責任を語った。これこそSDGsの源流。

私は、講演を聞いて、勝手に思いました。
化学物質は Developmentでした。しかし、Sustainable で無いため、カーソンは「沈黙の春」で批判しました。SDGsの17Goalsはそれぞれ単独ではDevelopmentであり、それらのGoalへ向けて世界の国や人びとが互いに関連付けてパートナーシップを発揮しながら目指すことが重要だ。それこそがSDGsを達成することではないだろうか。
原さん1


共育講座、次回は「石牟礼道子のまなざし」水俣フォーラム実川さんの年に一度の講演です。
不知火海に浮かびながら想像性を逞しくしてお聞きしたいと想います。
2020年1月18日(土)14時、名古屋国際センターです。




干潟は残った

「干潟は残った」共育講座(レイチェル・カーソンと海、第2回)が開講される。

11月30日ブラザーミュージアムにおいて、共育講座「レイチェル・カーソンと海」第2回講座が開催された。今回は「干潟は残った」として、藤前干潟が残った経過と今後の課題をテーマに東海フォーラム事務局加藤がレポートした。

「藤前干潟が残って良かった」と言われるが、なぜ残ったのか?ごみ処分場が満杯になる、ごみが町に溢れる、大変だ。黒い不透明のごみ袋に缶・ビンまでも入れてごみとし、大型のごみも処分場に捨てていた時代になぜ、藤前にごみ処分場の建設を断念することになったのか?そして断念後はどんな問題が噴出し、その後の今は何が問題になっているのか?
伊藤さん

フォーラム事務局の報告は・・・
冒頭に、大阪夢洲IRあせす大阪市長記者会見放映

20年も前の藤前問題をなぜ今とりあげるのか?
それは大阪夢洲IRアセス問題を知ったからだ。
大阪市長は、IRアセスをIR事業者が決まっていない段階で府・市がIR事業を実施する夢洲の環境調査を始めると宣言し、その費用は後に決まる事業者に負担させると決めたと宣言した。
アセスは本来、事業者が行うものであり、結果を事業者が説明し、それに対して住民、行政が意見を言う制度である。それを行政が先行実施してそのデータを事業者が利用してアセスを行うという説明である。理由は、アセスにはどっちみち環境調査が必要であり、万博とIRは同時期に開催、オープンしたいため、時間がかかる環境調査の早期実施は大阪経済のためになるとの説明。
まるでアセスは経済発展のためのお荷物だと言わんばかりの大阪市長の発言である。驚くばかりだ。

藤前はアセスの過程で「環境に与える影響は明らか」として事業は中止になり、その後ごみ減量、持続可能な社会への挑戦へと舵を切った。藤前の経験からアセスの意義役割を知っている我々にとって大阪市長の発言は納得できない。

待てよ、藤前だって、事業者は名古屋市、審査するのも名古屋市だったではないか。
今ここで、藤前問題を再整理してみることになった。

藤前が持続可能な社会へと舵をきることができたのは、事業が渡り鳥に影響を与えることから、全世界から注目を浴びたからと言っても間違いない。また、情報を世界に発信する住民団体の優れた発信力と、諫早開発を止めることが出来きず傷を負った環境庁、国の動向が大きな支えになった。加えて、これらを支える、意志決定に重要なアセスシステムが名古屋市にあったことが大きい。いやそれだけではない。このような経過を辿ることができたのは、アセスの制度に沿った優れた住民の対応とともに、オンブズマンが問題にした海面下土地問題、住民団体が問題にした直接請求問題などが、いずれも行政に圧力となり、持続可能な解決につながったと言えるのではないか。

アセスに関してはWWFJAPAN自然保護室花輪伸一さんの論文に詳しく、伊藤フォーラム代表から読み上げられた。

花輪さんは公聴会陳述人でもあり、辻さんとともに1996年南陽地区会館・南陽工場での事業者説明会にも参加されており、アセスの経過を熟知されていた。
中川先生

また、レポート報告の最後に参加者の中から5名の発言があり、1997年公聴会で陳述人だった一人からは直接請求当時の経過説明と現在のアセス制度運用の問題点についての発言があった。また、辻さんから活動を引き継いでいる藤前干潟を守る会理事長からもご発言があった。


今後とも大阪万博IRアセスの動向には注目していきたい。
次回の共育講座「レイチェル・カーソンと海」第3回「SDGsの源流」は12月14日国際センター14:00です。
皆様のご参加をお待ちしています。


レイチェル・カーソンの遺言

レイチェル・カーソンの遺言」共育講座(2019後期)が開講される。

11月9日ブラザーミュージアムにレイチェル・カーソン日本協会会長の上遠恵子さんをお迎えし、なごや環境大学共育講座「レイチェル・カーソンの遺言」が開催された。

上遠会長を東海フォーラムとして名古屋へお迎えしたのは、2018年5月27日「レイチェル・カーソンのつどい2018」以来2度目。
上遠会長は1929年生まれですから、今年は90歳超え。しかし元気一杯。この日は午前中に他の会場でのご講演を済まされ、共育講座はこの日2本目の講演になります。しかし写真のように表情は生き生きと元気一杯。
上遠先生

はじめに映画「レイチェル・カーソンの感性の森」を鑑賞し、その後ご講演。最後に参加者のみなさんからご意見と質問、回答をいただきました。
映画では数々の批判にさらされながらも決して屈することなく、人類の健康と環境の危機を訴えたレイチェル・カーソンの姿を描いていました。この姿は、現在の地球環境危機を訴えているスェーデンの少女グレタさんと重なるものがありました。
 
1965年“センス オブ ワンダー”では、
 地球の美しさについて、深く思いを巡らせる人は、生命の終わりの瞬間まで、
生き生きとした精神力を保ち続けることができるでしょう。
 鳥の渡り、潮の満ち干、春を待つ固い蕾の中には、それ自体の美しさと同時に、象徴的な美と神秘が隠されています。 自然がくりかえすリフレイン —— 夜の次に朝が来て、冬が去れば春になるという確かさーー の中には、かぎりなく私たちを癒してくれるなにかがあるのです。

そうか、上遠会長の元気は「センス オブ ワンダー」を持ち続けることになるのか!

レイチェル・カーソンは、DDTなどの有害化学物質への警鐘とともに放射性物質への危機も訴えています。
有名になった1963年10月18日サンフランシスコでの講演「環境の汚染」です。

★第三に、放射性物質による環境汚染は、明らかに原子力時代とは切り離せない一側面です。それは核兵器実験ばかりでなく、原子力のいわゆる「平和」利用とも切っても切れない関係にあります。こうした汚染は、突発的な事故によっても生じますし、また廃棄物の投棄によっても継続的に起こってもいるのです。私たちが住む世界に汚染を持ち込むという根底には、道義的責任があります。それは、自分の世代ばかりでなく、未来の世代に対しての責任です。
当然、私たちはいま現在生きている人々の肉体的被害について考えます。しかし、まだ生まれていない世代にとっての脅威は、計り知れないほど大きいのです。彼らは、現代の私たちが下す結論にまったく意見をさし挟めないのですから、私たちに課せられた責任は極めて重大です。★
この映画の日本での公開が、2011年東日本大震災の直前だったのはなんとも言いようがありません。
2018つどい講演記録も併せてご覧下さい。
http://carsontokai.blog.fc2.com/blog-entry-10.html 
遺言会場

この日も講演終了時には30名を超える来場者のみなさんと上遠会長と記念写真に納まる風景がみられました。また、関東・関西フォーラムからの参加者をはじめ遠方長野県からの参加者もありました。ありがとうございました。

次回の講座は「干潟は残った、今」と題して、20年も前になりましたが、藤前干潟はどのようなことがあって保全されたのか?を振り返り、SDGs未来都市なごやの今を考えます。
11月30日(土)14:30からブラザーミュージアムです。

人生に飽きて疲れたり、孤独にさいなまれるのは、「センス・オブ・ワンダー」(神秘さや不思議さに目を見張る感性)をどこかで忘れてしまったのかもしれませんね。
持続する地球になくてはならない、生があって死があるリフレイン。そこにわたしたちをいやしてくれる何かを感じる感性を私たちはその日までには獲得したいものです。