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名古屋の水生生物―その変遷

2022共育講座 名古屋の水生生物―その変遷
2022/07/23 レイチェル・カーソン日本協会東海フォーラムによる「なごや環境大学2022共育講座」が開講されました。なごや国際センターに於いて、密を防ぐなど十分な感染対策を講じた上での開催です。
講座全景

2022前期講座第2回のテーマは名古屋の水生生物―その変遷です。
レイチェル・カーソンは生きていくうえでのバイブルのひとつであると言われる「名古屋市環境科学調査センター元研究員」の榊原靖さんから、「名古屋市の水環境の変遷と水生生物」についてお話をいただきました。

榊原さんは生物屋として1980年に名古屋市公害研究所に就職以来一貫して名古屋市の水環境の調査研究に携わってこられました。その仕事の骨格をなす調査が1980年から始まり今も続いている市内河川等生物調査でした。
軟体動物

この調査ではこれまでに河川で6つの門(海綿動物1、刺胞動物3、扁形動物4、軟体動物33,環形動物32,節足動物254)で計327分類群の底生生物を確認しているが、その半数以上が水生昆虫であったとのこと。

河川などの水質を評価する場合に古くからBOD、CODなどの「化学分析」が用いられているが、近年水生生物による「平均スコア法(ASPT法)」も用いられるようになってきた。これは「化学分析」がその時点の水質の評価しかできないが、「平均スコア法(ASPT法)」は水生生物の出現状況を評価するため、長いスパンでのその地点の水質評価につながるといわれている。

この2つの方法で河川水質の変遷を評価すると、「化学分析」による水質評価では悪かった1970年代頃の河川水質が、下水道の普及、工場排水規制などによって大きく改善されて、80年代以降は良化、横ばい傾向にあると言える。これを「平均スコア法ASPT法」で最近の水質を見ると、平均スコアが5.0未満となり「良好とはいえない」との評価になる。

最後に榊原さんは、最近の調査結果を
① 名古屋市内河川水質は僅かずつだが改善している。
② 水生昆虫は清水性の種類が僅かずつ増えているが、「平均スコア階級」では良好とは言えない。
③ 新たな外来種の侵入が相次いでいる。
とまとめられた。
質疑応答

最後に、2022年7月18日中日新聞社説耳石ハンターについて感想を述べられました。
耳石は自分でも収集していた。きちんと調べると魚の日齢までもわかると言われる。意義ある調査だ。しかし、易しい調査ではない。難しい。
高校生も受講



さて次回の共育講座はSDGsです。
8/6カードゲームで学ぶSDGsの本質と可能性です。
こどもたちの未来のためにできることを考えてみましょう。
国際センター午後2時からです。
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