もう一人の来場者
5月27日レイチェル・カーソンの集いは88名の参加者で会場は満員でしたが、上遠会長の講演が始まったすぐ、もう一人来場者がありました。受付で名刺をいただきましたが、そこには中日新聞論説委員飯尾歩とありました。彼の手による集いの新聞記事が今朝の中日新聞に掲載されていました。
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集いでは上遠会長は“The Sense of Wonder”と“未来世代への責任”について主に話されましたが、この点に関連してレイチェル・カーソンに「環境の汚染」と題した有名な講演があります。
すでに体中にがんが転移し亡くなる半年前の1963年10月、サンフランシスコで行われた講演です。彼女の遺言とも言われています。
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放射性物質による環境汚染は、あきらかに原子力時代と切り離せない側面です。それは核兵器実験ばかりでなく、原子力の「平和利用」とも切っても切れない関係にあります。こうした汚染は突発的な事故によっても生じますし、また、廃棄物の投棄によっても継続的に起こってもいるのです。私たちがすむ世界に汚染を持ちこむという、問題の根底には道義的責任―自分の世代ばかりでなく、未来の世代に対しても責任を持つことーについての問いがあります。当然ながら、私たちは今現在生きている人々の肉体的被害について考えます。ですが、まだ生まれていない世代にとっての脅威は、はかりしれないほど大きいのです。彼らは現代の私たちがくだす決断にまったく意見をさしはさめないのですから、私たちに課せられた責任はきわめて重大です。(リンダ・リア2009:332)古草秀子訳『失われた森』集英社
(レイチェル・カーソンに学ぶ現代環境論 法律文化社p145)
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福島事故を抱えている私たちには心に響きます。
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